GUIDELINES

 本領域では、多細胞集団内で近接する細胞間の競合的コミュニケーションを包括的に理解し、これにより多細胞生命システムに自律性が生み出される原理を解明することを目指します。計画研究においては、従来の細胞競合研究を推進してきたショウジョウバエ、哺乳類培養細胞系、マウス、小型魚類などを用いた遺伝学・生化学・細胞生物学的解析に加え、メカノバイロジー、数理解析、合成生物学を用いた多角的なアプローチを推進するとともに、競合的な細胞間コミュニケーションを理解するための空間オミクス技術開発を通じて領域全体の研究を促進します。
 そこで公募研究では、これらの計画研究を補完・強化する様々な細胞競合現象やそれに関連した細胞間コミュニケーションを対象とした研究に加えて、細胞競合の枠に収まらない細胞間の競合的コミュニケーションに関する研究、さらには競合的コミュニケーションが多細胞集団に自律性・最適化現象を生み出す原理の解明を目指す研究を広く募集します。また、計画研究ではカバーしきれていないモデル生物や最先端技術、理論解析・データ解析手法などを用いて、細胞間の競合的コミュニケーションおよびそれにより多細胞集団の構造や機能が最適化される現象を解析する研究を歓迎します。さらに、競合的コミュニケーションが多細胞システムに自律性を生み出す原理の理論解析や、自律性を再構成するアプローチの強化も期待します。個体発生や組織修復・再生プロセスなどに加えて、疾患や老化など多様な時間的変容に注目した競合的コミュニケーション研究も対象としますが、本領域の目指すゴールと方向性が合致する研究であることを重視します。計画研究班との連携や共同研究によって領域研究の加速と目標達成を目指すとともに、新たなクエスチョンを見いだして領域研究を飛躍的に発展・変革しようとするチャレンジングな研究課題も期待します。将来の細胞競合・多細胞生命自律性研究を担う若手研究者や女性研究者の積極的な応募を期待します。
 本領域では、異なる専門領域の垣根を無くし、初めからワンチームでゴールを目指すことで異分野融合・学際研究体制の構築を実現するため、研究項目はあえてA01のみを設定しました。したがって、公募研究も全て研究項目A01に属することになります。単年度当たり450万円を上限とする研究提案を16件採択する予定です。

研究項目番号  研究項目名 応募上限額(単年度当たり) 採択目安件数
A01 競合的コミュニケーションから迫る多細胞生命システムの自律性 450万円 16件

学術変革領域(A)公募研究 公募要領(文部科学省のサイトへのリンク)

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