森 雅樹 | Masaki Mori
国立成育医療研究センター小児生理学研究部 部長
Head, Department of Pediatric Physiology, National Center for Child Health and Development
細胞からなる生物は個々のパーツごとのコンフリクトを解消しつつ安定化した1つの個体を成す。細胞の分化や分裂、形態形成運動は協調して動き、それらが破綻すると疾患として顕在化する場合がある。局所におけるインターフェイスでどのようなあつれきが生じ、どのように解決または破綻するのか、実相はわかっていない。インプリンティングはエピジェネティックな化学修飾の付加と消去であり、その異常は臓器のオーバーサイズ症候群などの小児難病を生じ治療技術の開発が求められる。本計画では細胞間相互作用の1つであるエントーシスに着眼し、その生理機能が多細胞自律性の維持に関わる役割を検証する。